灼熱の国サウジアラビア ― 2009/08/21 11:51
サウジの猛暑は日本とは比較にならない。小説「月の欠片」には「灼熱の国」という章があるが、まさに全てを焼き尽くす熱さだ。しかし、沙漠の民は、ずっとそれに耐えてきた。
誰も、日照りの中でそれに耐えることは出来ないが、幸い湿度が殆どゼロだから、日陰に入ればなんとか過せる。
そのサウジでは、今、豚インフルが猛威を奮っている。WHO(世界保健機構)は、新型インフルと言っているが、サウジのメディアはswine fluという言葉を相変わらず使っている。
昨日のサウジ保健省の発表では、また、二人死んだ。一人は40歳のサウジ人男性、もう一人は26歳のサウジ人女性だった。いずれも慢性疾患に苦しんでいたものだったということだが、これで死者の合計は16人になった。
このうち、13人がサウジ人だ。年齢層は10歳~36歳と若い。病院に来た罹患者数も2000人に達したという。もともとは休みで帰国中に罹患したフィリピン女性が持ち込んだと毎度のように報じられているが、国際空港で発見されたケースもある。
ひどいのは、スリランカ人のビジネスマンがホテルで客死したケースだ。彼を受け入れる病院が無かったことが死亡に繋がったということだからかわいそうだ。
しかし、このような広がりは決して冒頭に書いた熱さのせいではないだろう。むしろ、湿度ゼロパーセントだからビールスは死滅してしまうかもしれない。
今、サウジは完全空調だから、どこに行っても寒いくらいクーラーが効いている。この方が蔓延の一因となっている可能性が高いのではないか。
それから、前にも書いたが、サウジ政府が頭を痛めているのは、巡礼者の受け入れ問題だ。そろそろサウジの宗教指導者達が、ラマダン(断食月)入りを宣言する。
彼等が新月を観察すれば、即ラマダン入りとなる。昨日は、観察できなかったようだが、今日にも観察出来るのではないかと推測されている。
ただ、サウジ最高裁は、既に土曜日がラマダン初日になるだろうとの声明を発表したとのことだから、土曜日からラマダン入りだろう。
ラマダンは聖なる月で、いろいろと問題のある月でもある。テロが盛んな時にはこの月にはテロが活発化すると言われたものだ。
それから、聖なる月だから、既に書いた通り、巡礼をしようとするものが増える。これを本格的巡礼ハッジに対しウムラー(小巡礼)という。そんなことで世界各地からモスレムがやって来る。
豚インフルに罹患したものも知らずに来る可能性もある。とにかく、巡礼は一大事だから、多少、体調が悪くてもやってきてしまう。
そんなことで、目下、サウジはてんやわんやだ。
小説中のイブラヒムも、ラマダンが近いので先物取引を手控えてのんびりしているが、ここのところの原油価格高騰を見てむずむずとして来ているのではないだろうか?
「100ドル原油時代はまた来るか?」ぜひ投票を!http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=17487
誰も、日照りの中でそれに耐えることは出来ないが、幸い湿度が殆どゼロだから、日陰に入ればなんとか過せる。
そのサウジでは、今、豚インフルが猛威を奮っている。WHO(世界保健機構)は、新型インフルと言っているが、サウジのメディアはswine fluという言葉を相変わらず使っている。
昨日のサウジ保健省の発表では、また、二人死んだ。一人は40歳のサウジ人男性、もう一人は26歳のサウジ人女性だった。いずれも慢性疾患に苦しんでいたものだったということだが、これで死者の合計は16人になった。
このうち、13人がサウジ人だ。年齢層は10歳~36歳と若い。病院に来た罹患者数も2000人に達したという。もともとは休みで帰国中に罹患したフィリピン女性が持ち込んだと毎度のように報じられているが、国際空港で発見されたケースもある。
ひどいのは、スリランカ人のビジネスマンがホテルで客死したケースだ。彼を受け入れる病院が無かったことが死亡に繋がったということだからかわいそうだ。
しかし、このような広がりは決して冒頭に書いた熱さのせいではないだろう。むしろ、湿度ゼロパーセントだからビールスは死滅してしまうかもしれない。
今、サウジは完全空調だから、どこに行っても寒いくらいクーラーが効いている。この方が蔓延の一因となっている可能性が高いのではないか。
それから、前にも書いたが、サウジ政府が頭を痛めているのは、巡礼者の受け入れ問題だ。そろそろサウジの宗教指導者達が、ラマダン(断食月)入りを宣言する。
彼等が新月を観察すれば、即ラマダン入りとなる。昨日は、観察できなかったようだが、今日にも観察出来るのではないかと推測されている。
ただ、サウジ最高裁は、既に土曜日がラマダン初日になるだろうとの声明を発表したとのことだから、土曜日からラマダン入りだろう。
ラマダンは聖なる月で、いろいろと問題のある月でもある。テロが盛んな時にはこの月にはテロが活発化すると言われたものだ。
それから、聖なる月だから、既に書いた通り、巡礼をしようとするものが増える。これを本格的巡礼ハッジに対しウムラー(小巡礼)という。そんなことで世界各地からモスレムがやって来る。
豚インフルに罹患したものも知らずに来る可能性もある。とにかく、巡礼は一大事だから、多少、体調が悪くてもやってきてしまう。
そんなことで、目下、サウジはてんやわんやだ。
小説中のイブラヒムも、ラマダンが近いので先物取引を手控えてのんびりしているが、ここのところの原油価格高騰を見てむずむずとして来ているのではないだろうか?
「100ドル原油時代はまた来るか?」ぜひ投票を!http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=17487
ファイサリア・タワー ― 2008/06/18 17:28

ファイサリア・タワーはホテル・ファイサリア、ファイサリア・レジデンスと隣接している。この写真は、レジデンスの私の部屋からタワーを撮ったものである。接近しすぎて見難いが、このタワーの上には展望レストランがついている。
レジデンスの住民は無料でタワーに上れるが、レストランは無料というわけには行かない(笑い)。高級レストランで料金は高い。リヤドでは雨が降ることはめったに無いので、ほぼいつでも展望に恵まれ、夕焼けの街、光り輝く夜景など素晴らしい景色を堪能することが出来る。ただ、ごく稀に砂漠から砂が舞ってきて視界をさえぎられることがある。
レジデンスの住民は無料でタワーに上れるが、レストランは無料というわけには行かない(笑い)。高級レストランで料金は高い。リヤドでは雨が降ることはめったに無いので、ほぼいつでも展望に恵まれ、夕焼けの街、光り輝く夜景など素晴らしい景色を堪能することが出来る。ただ、ごく稀に砂漠から砂が舞ってきて視界をさえぎられることがある。
キングダム・タワー ― 2008/06/18 16:12

サウジアラビアというと皆さん一様に灼熱の国、砂漠の国と仰る。国土全体をイメージすればあの有名なルブアルハーリ砂漠が国土の四分の一を占めるので正しいのかもしれない。しかし、首都リヤドは大きく変貌している。昔のオアシスのイメージは全く無い。しかも、大体熱いが冬などは零度を下回る時もある。冬にストーブが必要などと言うと皆驚いている。
さて、現在のリヤドのシンボルとなっているのは、高さ約280メートルの横浜ランドマークタワーより高い世界最高の建造物キングダム・タワーとそれに次ぐ高さのファイサリア・タワーである。キングダム・タワーの高さは約300メートル、ファイサリア・タワーの高さは約270メートルである。ただし、このキングダムタワーも今年中にはドバイで完成する900メートルのビルに抜かれ、世界第二位となる。
この写真はファイサリア・タワーからキングダム・タワーを撮影したものである。
また、この二つはともに隣接する大きなショッピングモールを持っている。そこでは、男性は白、女性は黒の伝統的な衣装に身を包んだサウジ人が買い物を楽しんでいる。その対象は妙である。この国の課題がそこに象徴されているような気がしてくるが、おいおいとそのあたりを記して行きたい。
さて、現在のリヤドのシンボルとなっているのは、高さ約280メートルの横浜ランドマークタワーより高い世界最高の建造物キングダム・タワーとそれに次ぐ高さのファイサリア・タワーである。キングダム・タワーの高さは約300メートル、ファイサリア・タワーの高さは約270メートルである。ただし、このキングダムタワーも今年中にはドバイで完成する900メートルのビルに抜かれ、世界第二位となる。
この写真はファイサリア・タワーからキングダム・タワーを撮影したものである。
また、この二つはともに隣接する大きなショッピングモールを持っている。そこでは、男性は白、女性は黒の伝統的な衣装に身を包んだサウジ人が買い物を楽しんでいる。その対象は妙である。この国の課題がそこに象徴されているような気がしてくるが、おいおいとそのあたりを記して行きたい。
ファイサリア・レジデンス ― 2008/06/17 23:27

縁があってサウジアラビアの首都リヤドにあるこのファイサリア・レジデンスに2004年6月から2006年5月までの2年間滞在した。灼熱の国、砂漠の国の印象からはほど遠い広大な緑の芝が美しい。毎日、眺めるこの緑の芝が赤い夕陽とともに日々の緊張を癒してくれた。今から思うと夢のような日々だった。
日本で言えば帝国ホテルにあたるサウジ一流のホテルが経営するレジデンスだけあって設備、サービスともに一流で快適だった。周囲も銀座に軒を連ねる世界の高級ブランドの店から米国流のファーストフードショップまであり、何不自由無い生活が送れた。そのような恵まれた環境下にあったが、民間人を狙ったテロが多発して多くの犠牲者が出た当時の治安状況は最悪であり、思っていた通り治安体制が完備していて結果的には何も起きずに無事帰国できたものの、何時何が起きるかは誰も分からず滞在中は相当の緊張感を持って生活した。日本人もアルカイダの攻撃目標となっていたので注意を怠ったことはなかった。
それもあり、この2年間はほぼ仕事を除き「籠の鳥生活」を送ったため、石油関連の仕事の他、中東、イスラムの勉強も十分に出来た。この緊張下で石油価格の動向を分析した結果は、「世界石油需給には何等問題が無いのに石油価格が異常に上昇した」というものだった。帰国後もOPECウオッチを中心に、その線に沿いながら分析を継続していたが、その時見出していた要因が嵩じて2007年、2008年の石油価格高騰が生じてしまった。目下、現在の石油価格高騰は不当、不公正との見方をしている。
日本で言えば帝国ホテルにあたるサウジ一流のホテルが経営するレジデンスだけあって設備、サービスともに一流で快適だった。周囲も銀座に軒を連ねる世界の高級ブランドの店から米国流のファーストフードショップまであり、何不自由無い生活が送れた。そのような恵まれた環境下にあったが、民間人を狙ったテロが多発して多くの犠牲者が出た当時の治安状況は最悪であり、思っていた通り治安体制が完備していて結果的には何も起きずに無事帰国できたものの、何時何が起きるかは誰も分からず滞在中は相当の緊張感を持って生活した。日本人もアルカイダの攻撃目標となっていたので注意を怠ったことはなかった。
それもあり、この2年間はほぼ仕事を除き「籠の鳥生活」を送ったため、石油関連の仕事の他、中東、イスラムの勉強も十分に出来た。この緊張下で石油価格の動向を分析した結果は、「世界石油需給には何等問題が無いのに石油価格が異常に上昇した」というものだった。帰国後もOPECウオッチを中心に、その線に沿いながら分析を継続していたが、その時見出していた要因が嵩じて2007年、2008年の石油価格高騰が生じてしまった。目下、現在の石油価格高騰は不当、不公正との見方をしている。
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